ファクタリングとは?リースとの違いは?

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ファクタリングとは?

ファクタリングとは、中小企業や個人事業主からファクタリング会社が売掛債権を買い取り、管理や回収を代行するサービスのことを言います。
売掛金の回収期限前に早期に現金化することができ、業績が赤字の場合であったり、負債が返済できない状況で手元資金が必要な場合の資金調達手段として活用できます。

また、支払いトラブルにより信用情報に難がある場合や、起業したばかりで信用や実績がない企業などが銀行から融資を受けられない場合であってもファクタリングは利用できます。

ファクタリングを利用する際には1~30%の手数料が発生するものの、最短で即日での資金調達が可能になる点が大きなメリットです。ファクタリングで得た資金を設備投資などに充当することが可能となります。

リースとは?

リースは、設備を準備する際に、設備を購入するのではなくリース会社から長期間借りて利用することを言います。リースの対象は、コピー機などのOA機器、パソコン・サーバーなどのIT機器、デスクやロッカーなどの事務用品、会社で使用する自動車、工場などの工作機器や重機、産業機器など多岐にわたります。

リースは、借りた設備の所有権はリース会社にありますが、自社で購入するよりも初期投資が少なく同じ設備を利用できるという点が最大のメリットです。そのため、資金が十分でなく初期導入が難しい設備であっても、利用しやすくなるという特徴があるサービスです。

ファクタリングとリースの違いは?特徴と使い分け方を解説

ファクタリング、リースは両方とも設備の準備や設備投資のために利用するケースが多いですが、ファクタリングは設備を購入するための資金調達手法、リースは必要な設備をレンタルする手法、ということができます。

ファクタリングとリースには、大きく以下の4つの違いがあります。

  1. 利用の目的
  2. 手数料率
  3. 現金の流れ
  4. 設備の所有権

① 利用の目的

ファクタリングとリースでは、そもそも利用の目的が全く異なります。
ファクタリングは、売掛金の早期現金化が主な目的です。ファクタリングは資金調達手段の一つで、ファクタリングを活用して得た資金を設備の準備や設備投資などのために使うことができます。基本的にその資金使途は自由に決められます。

一方、リースは設備の準備と設備投資のときに必要な現金の出費を小さくすることが目的です。
設備導入をしたいが高額な初期費用のための現金が用意できない、設備を購入することで多額の現金が減るのを避けたい、設備を導入することでちゃんと利益が出るのかまずは試してみたい、といった目的で使われることが多くなっています。

② 手数料率

ファクタリングとリースでは、手数料率も異なります。
ファクタリングは、所有している売掛債権を売却する際、ファクタリング手数料として、売掛債権の金額に対して1%~30%の手数料が発生します。
売掛金を超える資金調達をすることはできず、手元に入金される金額は、支払期日に支払われる金額よりも少なくなります。
一方で、リースは設備購入額の約1.5%とその他の諸費用の支払いが毎月発生します。

ファクタリングは売掛債権を売却した際に比較的高額な手数料がかかりますが、支払いは売却時の一度だけです。
リースは毎月の支払額は少額に抑えられますが、契約期間中は毎月リース代と金利などの支払いが発生します。

③ 現金の流れ

ファクタリングとリースでは、現金の流れも異なります。ファクタリングもリースも、負債(借金)にはなりません。

ファクタリングは売掛金を売却することで早期に現金を得ることになるため、手元の現金が増えキャッシュフローが改善します。
一方で、リースはあくまでレンタルであり、負債が増えることはありませんが、資産も増えません。リースは高額な設備購入費用の流出を防ぐことができるため、キャッシュアウトフロー(現金が出ていこと)が減少します。その結果、資金繰りを維持することができます。

ファクタリングは資金繰りを改善させ、リースは資金繰りの維持を可能するという点で異なります。

④ 設備の所有権

ファクタリングとリースでは、設備の所有権がどこにあるのかにも違いがあります。
ファクタリングは、自社で設備を購入しているため、所有権は自社にあります。
そのため、設備が不要になった際や故障した場合には、自社の判断で売却や処分をすることができます。
しかし、リースは設備をリース会社からレンタルしている状態であり、設備の所有権はリース会社にあります。
原則として中途解約もできないため、不要になった場合でも売却や処分はできず、契約期間満期まで支払いを続ける必要があります。

設備投資後の物件の自由度は、ファクタリングを利用して設備を購入した方が高くなります。設備投資後の取り扱いも含めて、ファクタリングを活用するか、リースを利用するか検討する必要があります。

結局、ファクタリングとリースのどちらにするべきか?

リースの方が手数料が低く設備の準備ができるため、お得に感じるかもしれませんが、ファクタリングであれば購入した設備は自社の所有物となるため、自己資産として扱うことができます。
それぞれにメリットやデメリットがあり、ファクタリングとリースどちらを利用した方がいいのか、悩む場合もあるかもしれません。

そんなときは、設備の利用期間で判断すると良いでしょう。長期的な利用を考えているなら、ファクタリングで資金調達をして設備を購入するほうが良く、短期的な利用やお試し的な利用であればリースのほうが良いと言えます。利用期間が長くなる場合、その分リース費用も長期でかかることになるためです。

ファクタリングが向いているケース

ファクタリングで資金調達した上で設備を購入した場合、その設備は自社の資産になります。そのため一度購入すればその後の支払いが発生せず、設備投資から得られる利益はすべて自社の利益となります。そのため、下記のようなケースでファクタリングを実施するのが良いでしょう。

  • 設備投資で得られる利益が大きいと想定される場合
  • 設備を長期で利用することが見込まれる場合
  • 自社の資産として利用したい場合

ファクタリングは設備の購入に限らず、他の目的にも使える資金を調達することができるため、早期に現金が必要な場合や資金繰りを改善したい会社にとっても活用できると言えます。

リースが向いている場合

リースで設備を準備した場合、設備自体は会社のものになりませんが、購入するための資金がなくても設備を導入することができるのがリースを活用する上での最大のメリットとなります。 そのため下記のようなケースでリースを活用するのが良いでしょう。

  • 設備投資のための資金が準備できない場合
  • 資金の流出を今は避けたい場合

リースの場合では高額な設備投資であっても、一括でその資金を支払う必要はなく、毎月の少額の支払いで設備を利用することができます。

ファクタリングとリースのまとめ

これまでファクタリングとリースの違いについてまとめてきました。
ファクタリングは、売掛金を売却することで売掛金の早期現金化が可能な資金調達の手段のひとつです。ファクタリングによって得られた現金で、設備を購入することができ、自社の資産とすることができます。
一方でリースは、自社の代わりにリース会社が設備を購入し、それをレンタルして利用することができるサービスです。リースは一括購入できないような高額な設備であっても、月々の支払いによって利用することができるサービスです。ただし、途中で不要になった設備であっても解約することができないことには注意が必要です。長期で利用する場合には、支払う総額が大きくなることも想定され、その点も要注意です。
自社の資金繰りや経営環境などを十分に考慮して、設備投資をする際にファクタリングを利用するのか、リースを利用するのか検討するのが良いでしょう。
利用を検討している設備が長期で利用することが想定される場合は、ファクタリングを利用するのが良いと言えます

 

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