ファクタリングをしようと思っていろいろ調べているけれど、ファクタリングと一言で言っても「2社間ファクタリング」や「3社間ファクタリング」といった専門用語があって、戸惑っているかもしれません。
ファクタリングを初めて利用する際には、どのような違いがあるのか、どちらを利用した方がいいのか悩まれる方がほとんどだと思います。
このサイトでは、どのようなメリット・ デメリットがあるのか、どのように使い分けるべきなのかについて解説をしていきます。
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2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの大きな違い
両者の大きな違いは、以下の三つです。
- 取引先への通知の有無
- ファクタリング手数料
- 入金スピード
① 取引先への通知の有無
一般的に債権を譲渡する際には債務者に対して、債権が譲渡されたことを通知又は債権を譲渡することへの承諾のいずれかをしないといけません。
しかし、債権を譲渡したことが取引先に知られてしまうと、自社が経営不振なのではないかと疑念を持たれることもあるかもしれません。
そのため2社間ファクタリングでは、債権譲渡の通知や譲渡の承諾は不要とすることで、以前の債権者であるファクタリング利用会社に従来通り入金された後、入金された売掛金をファクタリング会社に引き渡すという流れになります。
従って、2社間ファクタリングの場合は通知・ 承諾が不要、3社間ファクタリングの場合は通知もしくは承諾が必要、ということになります。
② ファクタリング手数料
一般的に同じ売掛金であれば、2社間ファクタリングの方が手数料が高く、3社間ファクタリングの方が手数料が安くなります。なぜ手数料が違うのかと言うと、ファクタリング会社が負うリスクの大きさが異なるからです。
先ほど説明したように、 2社間ファクタリングでは取引先への通知や承諾が不要であるため、売掛金は以前の債権者であるファクタリング利用会社に支払われます。
売掛金が支払われた後に、ファクタリング会社にその売掛債権が引き渡されるわけですが、ちゃんと引き渡されるかどうかはわかりません。つまり、 ファクタリング会社にとっては2社間ファクタリングはリスクが高いということになります。
そのため、コストだけを考えれば3社間ファクタリングの方が安いということになります。
③ 入金スピード
ファクタリングを利用してどちらが早く現金を得られるか、という視点では2社間ファクタリングの方が早く受け取ることができます。2社間ファクタリングでは取引先への通知や承諾が不要であるため、取引先の動向は関係なく、すぐに決済手続きに進めるからです。
また、3社間ファクタリングでは実務上、取引先との間で書類や押印の準備もする必要があるため、かなりの時間を要することになります。
一方で2社間ファクタリングでは、ファクタリングを利用したい会社とファクタリング会社の間だけの取引となりますので、入金スピードが速くなります。
そのため、 2社間ファクタリングでは即日決済となることも多くなっています。
2社間と3社間をどのように使い分けるべきか?
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングでは、 これまで説明したように内容が大きく異なります。
そこで「 どのように使い分けるべきなのか?」について悩むことになるかもしれません。
判断の軸としては、下記の四つが挙げられます。
- 取引先に知られてもよいか
- 手数料(コスト)が安い方がいいか
- 入金スピードが早い方がいいか
- 売掛先はどのような企業もしくは団体なのか
ただ、2社間ファクタリングと 3社間ファクタリングの割合で言うと、2社間ファクタリングが9割以上となっています。 つまり、ほとんどの会社が2社間ファクタリングを選択しているということになります。その理由として大きなものを占めるのは、やはり「取引先には知られたくない」ということでしょう。
また、 ファクタリングを利用する企業の多くは、すぐに現金を得て何かの支払いをしたい、もしくは銀行借入をしにくいなどの個別の事情を抱えた会社であることが多いです。そのため、取引先に知られたくないというのはもちろんのこと、すぐに場合によっては即日で現金化できる2社間ファクタリングが選ばれる傾向にあります。
3社間ファクタリングを利用する場合はどのような場合?
3社間ファクタリングは取引先に知られてしまったり、取引先に対して印鑑証明書を要求したりなどと、かなりハードルが高いものになっています。
一方で、3社間ファクタリングの場合は手数料率が1~10%程度と低い水準となっており、その点は魅力となっています。
では、どのような場合に3社間ファクタリングを利用すべきなのでしょうか。それは、例えば売掛先が国や地方公共団体である場合です。国や地方公共団体に対する売掛金の具体的な事例としては、下記のようなものがあります。
- 診療報酬や介護報酬に対する売掛金
- 国や地方自治体に対する公共工事に対する売掛金
- 許認可を得るために預けたお金(供託金)
3社間ファクタリングを利用しない理由としては、取引先にバレてしまうということがあると思いますが、国や地方自治体であればそのようなことは関係がありません。
また、国や地方公共団体であればつぶれることがないため、ファクタリング会社にとっても回収可能性が非常に高いものであり、リスクが低いため手数料率を低く設定することができます。
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングのまとめ
ファクタリング取引には2社間と3社間があり、それぞれメリットやデメリットが存在します。
ほとんどのファクタリング会社は2社間と3社間の両方に対応しており、どちらを選ぶべきかファクタリング会社に相談してみるのも良いでしょう。
ただし、相談する前に当サイトなどで事前に勉強して、ファクタリング会社に相談したほうが正しい判断を下せると思います。